3月読んだ本 クリムゾンとロボット

3月は、キンドルのセールで買ったので作者が被ったの多々ある。
その中で印象に残ったのは、
『クリムゾンの迷宮』貴志祐介
唐突に放り込まれた状況から、生き残るゲームに参加することになる物語。
作者特有のジリ貧な展開で、追われ逃げる様子はヤキモキするような感覚を受ける。
ページ数も少なくサクッと読める物語となっている。
別作品もちょいちょい読んだのだが、この作者の得意というか上手いと思う展開はやはりジリ貧と思い至る。
ミステリーも読んだのだが、迫りくるようなジリジリ感がこみ上げてこないのでね。
『新世界より』や『クリムゾンの迷宮』のような迫り来る恐怖のような感覚を与えてくるほうが、読み応えがあるのではないかと思ったなあ。
『きまぐれロボット』星新一
博士や発明をテーマとした短編集。
どれも童話のように教訓めいているものの、心がホッコリしてくるものがある。
中でも「ネコ」が印象深かったな。
初めて読んだ作者であったが、中々楽しかったので別作品も読んでみようかな。

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫) クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
(2012/12/06)
貴志 祐介

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きまぐれロボット (角川文庫) きまぐれロボット (角川文庫)
(2012/10/17)
星 新一

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2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3438ページ
ナイス数:64ナイス

きまぐれロボット (角川文庫)きまぐれロボット (角川文庫)感想
発明をテーマとした短編集。どれも童話のように教訓めいているものの、心がほっこりしてくるものがある。中でも「ネコ」が印象深かった。
読了日:3月29日 著者:星新一
天使の囀り (角川ホラー文庫)天使の囀り (角川ホラー文庫)感想
ホラー文庫と銘打ってあるも、怖さというよりもおぞましさを感じた物語。主軸の一人の他の語り部の体験記が多く、物語というよりはルポルタージュのような印象が残る。途中の線虫に関する説明がそれに拍車をかけたな。
読了日:3月27日 著者:貴志祐介
RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)感想
青春の悩みを特異な能力に置き換えて、向き合う物語。6巻通して鑑みると、泉水子の成長にだけ目がいっていたが深行や宗田兄弟などの成長もあるので、青春物語と云えよう。この巻でだした答えはちと後ろ向きな感じがするのは自分だけだろうか。
読了日:3月23日 著者:荻原規子
業政駈ける (角川文庫)業政駈ける (角川文庫)感想
箕輪城主長野業政の武田との相対に焦点を当てた物語。名前は知っていたのだが、その人となりはよく知らなかったので新鮮な感覚で読めた。子沢山は以外な事実だな。しかし、その子沢山も彼なりの戦略の一つと思うと深いな。
読了日:3月19日 著者:火坂雅志
開港 交代寄合伊那衆異聞 (講談社文庫)開港 交代寄合伊那衆異聞 (講談社文庫)感想
藤之助の冒険活劇も早20巻目。節目の巻に相応しく、新たな展開に。前巻はタイトル通りのお茶の話がほとんどなので、若干退屈だったので今回は長崎・横浜・江戸と様々な場所での展開があるので、楽しくサクッと読めた。
読了日:3月17日 著者:佐伯泰英
青の炎青の炎感想
主人公の行動に至る機微を丁寧に描いた作品。道を広げるつもりで立てた計画が少しのほころびからどんどん狭まっていくという展開はジリ貧だね。読んだ上でのタイトルは、しっくりくるものがある。
読了日:3月14日 著者:貴志祐介
雀蜂 (角川ホラー文庫)雀蜂 (角川ホラー文庫)感想
パニックムービーならぬパニック小説。閉ざされた山荘で雀蜂の大群に襲われるジリ貧状態を描いた作品。所々の仕掛けが最後に花開く展開になっているのだけど、気づかずに読み進めてしまった。短編などでサクッと読める。
読了日:3月10日 著者:貴志祐介
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)感想
生き残りをかけたゲーム。その中で展開される駆け引きや感情の機微などに心が振るわされる。この作者得意のジリ貧な展開なので、サクッと読める。
読了日:3月10日 著者:貴志祐介
マリアビートル (角川文庫)マリアビートル (角川文庫)感想
東京から盛岡へと至るある新幹線での群像劇。多種多様な人間達の視点から物語が作られ、最終的に一つの終着駅にたどり着くのは終点に至る新幹線の構造と合わせているのかな。ただ、群像劇なのでちゃんと整理していないとごっちゃごちゃになるのは否めない。
読了日:3月5日 著者:伊坂幸太郎

読書メーター

東京レイブンズ 感想 大人の頑張る話

東京レイブンズを視聴し終わったので、感想を。
東京レイブンズ 公式サイト
撮り貯めていたのを流してみたので、細かくは無いがね。
・一番の印象は、主人公の周りを取り巻く人間関係であろう。
春虎を中心とした友人達、その周囲を取り巻く大人たち(敵味方含めて)が対照的に描かれている。
この大人達の活躍があったからこそ、物語にアクセントを与えることになったといえよう。
春虎達だけの活動を描いただけであったら、学園モノとしての印象で終わった可能性がある。
ただ、あまりにも活躍しすぎて大友先生が主人公かと思ってしまうほどの弊害が出てきたな。
春虎、あまり印象無いもんでね。
・二番目の印象は、呪文を唱える戦闘かな。
最近だと呪文など唱えずに魔法などを発生させるスピード化が主流となっている中で、
呪文を唱える行為はどこかしら新鮮な感覚に受けられた。
昔読んだ『孔雀王』を彷彿として、中々楽しいものであったな。
その呪文にしても陰陽術として、東洋だけにしているのも和洋折衷が多い昨今では珍しいことかも。
・以上、ざっくりとだが印象に残った箇所をあげてみました。

2月に読んだ本の感想

二月に読んだ本で印象深かったのは、重松清著の『疾走』だね。
これでもかというくらいに、主人公である少年に降りかかる苦難。
全体的に暗い雰囲気で物語が進むので、あまり明るい気分にはならないのだが何とも言えないものを訴えかけるような作品となっている。
また、主人公を語るときに敢えて「おまえ」の二人称を使っているのが、あたかも読んでいるこちらのことを言っているかのような錯覚を感じるのが何とも新鮮である。
「ひとり」についてのくだり「孤独」「孤高」「孤立」の表現が一番印象深い箇所である。
これは、物語の主軸ともなっているので力を入れている箇所でもあったのだろう。

次点として『終物語 中』を挙げられる。
久々に物語シリーズらしい青春と怪異の作品となっていたのではないかと思う。
ただ、それは今までの作品の繋がりがあるからこそ思えるので、これから読み始める人にとってはさっぱりかもしれないということで次点に。
さてさて今月は何があるやら。

疾走 上 (角川文庫) 疾走 上 (角川文庫)
(2005/05/25)
重松 清

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疾走 下 (角川文庫) 疾走 下 (角川文庫)
(2005/05/25)
重松 清

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終物語 中 (講談社BOX) 終物語 中 (講談社BOX)
(2014/01/29)
西尾 維新

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2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3744ページ
ナイス数:76ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/303328/matome?invite_id=303328
■疾走 下 (角川文庫)
移ろいゆく少年の機微を描いた物語。爽快感とはほど遠いいが、タイトルのごとく駆け抜けるような物語である。
救いのない話であるのに、どこかしら心を揺さぶられるような余韻を受ける。
敢えて、語りべが「おまえ」として物語を進めていくのであたかも読んでいる自分に訴えかけるような錯覚を感じる手法はちと面白いな。
読了日:2月27日 著者:重松清
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/36011221
■疾走 上 (角川文庫)
環境の変化につれ、同じように変わっていく少年の機微をえげつなく描いた物語。
「孤独」「孤立」「孤高」の解釈はなるほどとしっくりくる。
読了日:2月26日 著者:重松清
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/36011177
■終物語 中 (講談社BOX)
まさに青春は怪異とツキモノだと言える一冊。怪異絡みと思いきや青春の要素も併せ持つ「化物語」らしさの物語と云えよう。この巻で夏休みの出来事がある程度保管されるようになってくるのは、若干蛇足気味とも感じられる。ただ、暦と駿河の関係性いや関連性だけでなく忍との関わりに関しての一面もあるので注目できる巻といえよう。
読了日:2月22日 著者:西尾維新
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35883879
■夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
二人の語り部の物語。敢えて名前を出さず一人称も同じにして混乱させるような展開が程よいアクセントとなっている。なので、文章も口語調で慣れれば(もしくは合えば)さくっと読める作品。物語は二人の登場人物両者の思春期ならではの妄想というか自意識過剰があふれ出る青春モノといえようか。
読了日:2月19日 著者:森見登美彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35836461
■狐火の家 (角川文庫)
短編集。榎本の以外な趣味が謎解きに関わってくる。ただ、どの短編の密室の謎解きに無理があるような気がするのは、自分の読解力の無さかな。
読了日:2月15日 著者:貴志祐介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35686348
■硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
三人を主軸に物語が展開していく。密室の謎解きに関しては、自分で解くというよりも解説を読む感じだね。後半から出てくる椎名章の下りは臨場感というか切迫感があり、読み応えある。
読了日:2月13日 著者:貴志祐介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35686219
■鍵のかかった部屋 (角川文庫)
密室殺人がメインの短編集。1作目と思いきやまさかの3作目。密室の謎を解くことで犯人を追い込んでいく物語。なので、密室を解いて終わるちょっと珍しい終わりかたとなっている。
読了日:2月5日 著者:貴志祐介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35452693
■GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(下) (電撃文庫)
4巻を通してのテーマは敗戦からの再起だろう。それに呼応しているのが本多二代・伊達成美、それに大久保長安を代表として挙げることが出来る。武蔵も改となり、これからの歴史再現に向けての足がかりとなる巻となった印象だね。
読了日:2月5日 著者:川上稔
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35452563
▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

1月に読んだ本。 

1月に読んだ中で印象的なのは『光圀伝』かな。
水戸黄門のイメージとはかなりかけ離れた「知」の人であるということが大きな印象となる。
2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:7038ページ
ナイス数:29ナイス

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(中) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(中) (電撃文庫)感想
敗戦からの奮闘篇第2部。ここでは、外部からではなく内部から反対意見。東北がでてくると、なぜか反抗勢力とのイメージがでてくるな。
読了日:1月31日 著者:川上稔
光圀伝光圀伝感想
水戸黄門として有名なものの、その実態はイメージとはかけ離れたものであったな。ただ、物事に対する興味に関しては時代劇のものと同一といえないだろうか。
読了日:1月31日 著者:冲方丁
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(上) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(上) (電撃文庫)感想
仮想戦史の第4部。今回の舞台は、東北と上越とめまぐるしい。前回の敗戦を受けてのから始まるので、明るい雰囲気がちょっとなりを潜めている。今巻では、本多二代がメインの一人となっている。
読了日:1月24日 著者:川上稔
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(下) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(下) (電撃文庫)感想
ここでもかというくらいに、色んな勢力の歴史再編行為が絡みあってくるので、1回読んだだけでは理解するのが大変。今回の主役級といえば、ネイトだろうと思いきや三巻の下において一気にあの二人に持っていかれたなぁ。あれで終わると思いきや一気に歴史再編を持っていくとね。そこかしこの会話が伏線となって収束しているのは何だかんだ凄い。
読了日:1月15日 著者:川上稔
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(中) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(中) (電撃文庫)
読了日:1月12日 著者:川上稔
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(上) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 3(上) (電撃文庫)感想
仮想戦記シリーズの第3部。ここからまた、各勢力の思惑が入り込んでくるので若干というかかなりややこしくなってくる。戦国時代なら何とか尽いていけるのだが、ヨーロッパになるとちょっと怪しいので解釈に関して関心しながら読んでいる。表紙から察するよういに、ネイトが主役級に動いている。
読了日:1月10日 著者:川上稔
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2(下) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2(下) (電撃文庫)感想
群像劇であるものの、主眼は点蔵とフェリペの両者である。点蔵は現在を、かたやフェリペは過去に主軸を置いておりそれが対比構造として物語にアクセントとなっている。
読了日:1月7日 著者:川上稔
空蝉ノ念-居眠り磐音江戸双紙(45) (双葉文庫)空蝉ノ念-居眠り磐音江戸双紙(45) (双葉文庫)感想
今回はまさに辰平の物語。前回の失敗を保管するかのような主人公のようであった。磐音自身のこれらからの在り方を垣間見られ、終盤への布石となるのかと夢想する。
読了日:1月7日 著者:佐伯泰英
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2(上) (電撃文庫)GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2(上) (電撃文庫)感想
ここからまた設定が多く含まれてきたので、本自体も大きくなる。物語自体はあまり進んでいないので、設定抜かしたらボリュームが少なくなりそうだな。ただ、その設定を説明するのも会話を主軸にしているので、そこまで冗長にはならないかんな。
読了日:1月2日 著者:川上稔

読書メーター

気なるお話 

鯖江市と『電脳コイル』のコラボコンテスト
メガネの町である鯖江市が『電脳コイル』との連動でARアプリのコンテストを行うようだ。
ただ、『電脳コイル』のアプリはARとはちょっと違うような気もするがね。
これは、作品中メガネを使用してネット世界と繋がっていることから利用しているんだろうかな。
単に、自分がARを勘違いしているのかもしれないがね。
電脳コイル 公式サイト
ARアプリとは
VRとは違って現実の一部を改変することらしい。ARのウキィペディアより
なので、これに近いものを挙げるとしたら
『ロボティクス・ノーツ』かな。
ただ、これは完全にジオタグなど現在でも実用化されてきたものが出てくる。

そして、ARを発展させたものとして示唆できるものとして
Psycho-Pass サイコパス』を挙げることが出来るね。
これはネットで見たものをそのまま現実にまで及ぼしてしまうという夢が現実になると言えないだろうか。

これは実際に「IKEA」が
イケア ARアプリ

として家に家具を置けるサービスを行っているのでこれの発展型と思えば多少は理解できるかな。
『電脳コイル』は、まだARとは異なるけどまだ確立していない前に出てきたので草分け的なものとして考えてもいいのかもね。
ちょっと前には夢物語であったものが現実に出てくることになるとは、時代が進んだもんだねぇ。
ぼぅっとしているとテクノロジーが進みすぎて付いていくのが大変になりそうだなぁ。

恋物語 その六 感想 貝木ぱないの。

物語セカンドシーズン 公式サイト
恋物語の六話の感想。
一言で表すとあらば、貝木泥舟ぱないの。
千石撫子を説得しているのに、何故か自分に言い聞かせているように感じられるのが痛々しい。
神原に危害がなされようとしていることが奮起するきっかけになるのも、それを感じる要因と思う。
以下、気になった箇所を箇条書きにて
○貝木のセリフで
「かけがえのないものはいらない」
が彼自身の性格を如実に示していると言えるし、言い得て妙と認識した次第だ。
○千石のセリフで
「世界って世の中って・・・嘘ばっかり」
を聞いてちょっと思い出したのが、Mr.Childrenの『フェイク』だね。
歌詞がこれとリンクしているよのではなかろうか。

○恋物語全体を通して言えば、青春物語という感覚は受けないな。
それは、ひとえに貝木泥舟というおっさんが物語の語り部として存在しているらではなかろうか。
逆に言えばそれが冗長気味だった物語シリーズに、程よいアクセントとなり恋物語が名作(戦場ヶ原談)と呼ばれる所以ではないかと考えられる。
一話単位だと若干イマイチな感じだけど、通して観ると感慨深いものがある作品と云えよう。
○追伸
千石撫子の漫画、あんなに上手いと思ってなかった。
ノートに書いた落書きのような印象を受けていたよ。
ドラえもん好きであるのは分かっていたけど、80年代の恋愛漫画を書くとはねぇ・・
願望があふれ出たのかな?